10日ほど、夫の両親の家があるアラバマに行っていた
両親はふだん韓国に住んでいて、夏休みにこちらに戻ってきていたが、お母さんの方は早めにこちらを経って夫の姉が住むカリフォルニアに行き、わたしたちが訪れたときはお父さんひとりだった
夫とお父さんはおもに庭仕事(家が建ったばかりで何もないので、土をならしたり草を刈ったり) をして過ごし、わたしはなんだか洗濯ばかりしていたようだ でも、久しぶりに生産的なことを何もしないで、いい息抜きになった
ある日は、家のある場所からMobile湾を挟んで向かい側にある、Bayou La Batre (バイユーラバトリーと発音する)という小さな漁村まで三人で出かけた(地図参照)
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ルイジアナだけでなく、メキシコ湾岸のミシシッピとアラバマにもフランス人が建てた町は多く、ここやMobileもそのひとつだ 映画「フォレスト・ガンプ」でババ・ガンプ・シュリンプ株式会社が設立されたのは、このBayou La Batreという設定ということだ(日本で見たときは意識してなかったが、フォレスト・ガンプはアラバマ出身なのである 実際にこの漁村には原作者の一族であるGump家というのがあって、夫の母方の一族と遠い親戚にあたるんだそうだ)
ここは一見、ただの南部の小さな田舎町なのだが、ヴェトナム戦争後は飛躍的にヴェトナム系移民が増えたという それから驚いたことに、統一教会(Unification Churchと英語では言う)の建物があった お父さんによると、70年代ごろアメリカの若者がカルト一般に強い興味を持っていた頃に、信徒を増やしたという
ここに来た目当てはお父さんが30年ほど前に来たことがあるというシーフードレストランだったが、たどり着くとつぶれていた ガスステーションで地元の人に話を聞くと、カトリーナの影響で閉店に追い込まれたという 残念だったが別の店でなんとか昼食を取ることができ、いちおうエビも食べた その後は、少し離れたDauphine Islandという島まで車を走らせ、そこから車ごとフェリーに乗って湾の反対側に戻った
ところでいつもなら、アラバマの家にはおばあさん(夫のお父さんのお母さん)がいるのだが、なんかかんかで機嫌を損ねて、ミシシッピの自分の家に帰ってしまったらしい もう帰ってこないでミシシッピにずっといる、と言っているのだが、どうなるだろうか
夫とお父さんに言わせると、この騒動の陰には、今ミシシッピに滞在している彼女のきょうだいのメアリーおばさんという人がどうも絡んでいるのではないかということだ メアリーおばさんという人はふだん南フロリダに住んでいてわたしは会ったことがないが、トラブルメーカーなのでおばあさんに何か吹き込んだかもしれないという
メアリーおばさんは、おばあさんときょうだいなのだが、ひとつも似ているところはないと夫とお父さんはいう
主な特徴は
1.声がでかい
2.いつも酔っ払っていて鬱陶しい(ちなみにおばあさんは酒を一滴も飲まず、自分の目の前では誰にも飲ませない)
3.たまに酔っ払ってないときも素で鬱陶しい
ということだ
一度お父さんがミシシッピで彼女をイタリアンレストランに連れて行ったときは、店内の他の客と店員全員に間違いなく聞こえるであろう大声でこう言ったという:"This ain't no Ai-talian restaurant!!!! This place must be run by damn Jews from Miama!!!!" (メアリーおばさんは、MiamiをMiamaと発音するのが洗練された言い方だと思っているらしい) その場に同席した家族全員いたたまれない気持ちになったであろうことは間違いない また別の機会に、お父さんがHolly Springsというミシシッピの田舎町に彼女を連れて行ったときには、通りを歩いている黒人を見て、再びものすごくでかい声で、"Look at her!!!!! She must be from Africa!!!!"と。。。
南部に暮らしていると、たまーにこういう、Flannery O'Connorの小説から飛び出してきたような、存在自体が悪い冗談みたいな老人に出会うものだ ちょっと怖いもの見たさで会ってみたい気もするのだが、夫にそういったら、俺はもう全然会いたくないし、そんな南部研究的に面白い人物でも何でもなくて、単にうざいだけなのでやめとけ、ということだった 笑
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