8月末から二泊三日で、夫が学会で発表するのにくっついてシアトルに行ってきた
航空券が恐ろしく高いので最初は留守番の予定だったが、夫が一緒に行く予定だった人がキャンセルして一人だと言うし、子どもが生まれたら当分旅行らしい旅行はできないので、行っておくことにした
シアトルといったら、私的には90年代半ば、ジョディ・フォスターが出演していた森永の「カフェラッテ」のCMが思い出される 「シアトルあたりじゃカフェラッテ」というのがキャッチコピーで、そうか、シアトルあたりじゃこんなコーヒー牛乳飲んでるのか、という刷り込みが、スターバックス進出以前にすでにあったわけだ まあ実際に行ってみても、確かにコーヒーショップは多いことは多い 犬も歩けばスタバに当たるというのは、シアトルでなくてもアメリカの大都市ならどこもそうだが、この町にはそれ以外にもシアトルズベストとかタリーズ(日本にもありますね)とか、その他チェーンでないものも含めてコーヒーショップが目立つ
あとは、そう、日本人的には、イチローとマリナーズだろうか(MLBに興味がないので、セーフコフィールドは特に見に行かず、遠くから眺めただけだった) そんなこんなでシアトルに対する大したイメージも情報も持たないままに旅行に出て、時間もあまりなかったので中心部しか巡らなかったけれど、なかなか楽しい旅行になった
滞在中は、チャイナタウン/インターナショナルディストリクトにある、日本に縁のある不思議宿、Panama Hotelに泊まった B&B形式のヒストリックホテルで、こういうタイプの宿に泊まるのはアメリカに来て初めてである
ここは元々20世紀初頭に当時の日本町に建てられたホテルで、日本からの移民も多く滞在していた さびれ放題だったのを現オーナーであるアメリカ人女性が買い取って、綺麗にして営業しているらしい 30年代に日系移民がinternment camp(強制収容所)に送られた後彼らが残していった品々も、彼女が保管してその一部を展示したり、ホテル地下に残るかつての銭湯のツアーも行っている
写真はホテルの玄関ドア―-6051/2というのが住所なのだが、番地が「半分」というのは、初めて見た 坂の多いシアトルには典型的な、坂道の傾斜を利用して建てられた建物なので、その関係で「半分」になっているのかもしれない ホテルの隣のティーハウスの番地は、半分ではない605だった
宿はB&B形式で、ダブルベッドひとつの部屋が90ドル(人が一人増えるたびに10ドルプラス) シアトルの中心部としては、悪くない値段だと思う(ちなみにチャイナタウンには、ドミトリー形式の安宿もけっこうあって、そういうところに行けばもっと安くは泊まれるだろう ダウンタウンは、基本的に100ドル以下はオンシーズンでは難しい)
夫がこの宿をネットで見つけ、雰囲気に惹かれてぜひ泊まろうという話になったのだが、オンラインレビューを見ると、えらく気に入ってリピートするまでになる人と、最低だという人と、ぱっきり分かれていた 部屋の古さ汚さ云々については、そんなこと言うなら始めからこの手の宿に泊まらなきゃいいのにと思うが、経営者側の営業態度に対する文句は、まあ正直妥当な部分もある
というのも、なにしろこの宿は、スタッフと連絡を取るのがほぼ不可能に近い 笑 オンライン予約のリンクは死んでおり、電話してもつながらないというのが何日も続いたあと、やっと一人のスタッフが電話を取ったが、予約したい、というと、「調べてコンファメーションのためかけ直す」と言って、その後連絡はさっぱりなく 翌日こちらからかけ直すと、「部屋はたくさん空いてるからjust come by.」と え、予約とか、ないんですか?
実際に現地に着いて、かなり不安ながらも宿を探し当てると、一応人がいて(苦笑)チェックインはすることができた しかし、クレジットカード番号、カードの裏の3桁のセキュリティナンバー、免許書の番号など一式を、宿帳という名のただの紙ペラの裏側に書き付けてその辺に放っていたりするので、大丈夫か?という思いはいや増す そして、何人か日替わりで来ているらしい男性スタッフたちは、それぞれ親切ではあったのだが、引継ぎをちゃんとしない上にオーナーの許可がないと何もできないらしかった わたしたちの滞在中はほぼオーナーには出くわさなかったので、結局銭湯なども見て回ることができなかったし、チェックアウト時にレシートをもらうことすらできなかった――というか、チェックアウトしようとしたら、オフィスに誰もいなかった 笑 あとでクレジットカードの使用歴をチェックしたら、二重に引かれているようなことはなかったので、とりあえず安心した
部屋そのものは、築100年以上の建物にしては綺麗だし、居心地がよくて気に入った(写真--キュリアスジョージは備品でなくてうちのです)
強いて難点を挙げるなら、部屋に風呂、シャワーがないことだろうか ヨーロッパの安宿などにはよくあることだが、モーテル主体のアメリカでは珍しいと思う 女性専用のバスルームは「ヨーロッパ風である」と言われ、確かに猫足のバスタブはあったが、シャワーがなくて使いづらいのと、綺麗に掃除されていなかった(あまり女性客がいないので使われないのだろう)ので、もっぱら男女兼用のシャワーを使っていた シャワーはお湯がぬるくて、ああこれは安宿によくあるパターンか、と覚悟したが、10分くらいでまあまあ快適な温度のお湯になった しかしこれは、冬場は辛いだろう
あと夜中にトイレに立ったら、通り道にある誰も泊まっていない部屋が開け放たれて明かりがついていたので、そんな幽霊屋敷みたいな演出はいらない、とは思った 笑
よかったのは、宿泊客は併設のティーハウスで無料で朝ごはんを食べられるところ(好きな飲み物とデーニッシュやケーキ類ひとつ選べる 飲み物は、ほうじ茶緑茶などもある) このティーハウスは日本町の古い写真なども飾られて、ちょっとしたギャラリーのようになっている
結論としては、古いのと働いている人たちがあんまりプロフェッショナルでないのを気にしない人なら、楽しめるホテルだと思う
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