5/04/2011

仕事終わり。。。いや終わったのか

この前のエントリーは、書いたら書いたで胸糞悪くなったので消してしまった
ちなみにこれを読んでくださっているリアル友人の皆さん―ここでわたしが書いているもろもろのことをどうぞ共通の知り合いとの間でネタにしないでいただければ幸いです それだとブログを移転した意味が、なくなってしまうからです

さて学期末
成績つけてつつがなく晴れやかに仕事納めと思っていたら、学生の一人がファイナルペーパーで盗作した こちらでは、教員が自由に使える盗作を見破るためのソフトがブラックボードという授業管理システムに標準装備されており、それを通してペーパーを提出させるため、ふだんは盗作を不注意にしてくる人間は基本的にいないのだが、件の学生のペーパーは、実に66%が複数のインターネットソース(他人のブログだのオンラインレビューだの)と合致するというとんでもない盗作っぷりだった 

さすがにこれに成績をつけることはできないので、そのペーパーには0点をつけた あまりにも明らかなケースだと思っていたら、本人が白を切るようになんで0点なんですかとメールで言ってきたので、あなたが盗作したからですよ これくらいの割合がインターネットソースのパッチワークで、ただのコピペだけではなくところどころ微妙に言葉をドロップしたり入れ替えたりしてあるし、他人がさらに別の他人を引用してるのを丸々コピーしていたりして(これは盗作っていうか孫引きをしたらいけませんという例だけど)、見るからに意図的だから点はあげられません、と伝えた

すると学生は、反省するどころか逆ギレし、「これは全部直接引用で、引用元を示すのを忘れただけだ。確かに引用は多すぎるかもしれないが、盗作の部分は一切ない」と無茶なことを言ってきた
しかし、こちらが詳細に渡って読解した限りでは、盗作とされた箇所で直接引用として意味をなす箇所は、全体のうちわずかに二箇所で、あとは引用符を付けたりブロッククォートしたってまるで意味をなさないのだ だってただのコピーをあたかも自分の意見であるかのように使って、パラフレーズも何もしない、「誰々によれば」の但し書きもない、引用を示したあとに自分の解釈を書いてるわけでもないのだから
学生はたとえば「某有名批評家の議論は自分のペーパーにどうしても必要で、いろんなソースから引用する必要があった」などと詭弁を展開するのだが、その実この学生がやっていることは、その批評家を引いてる他人のブログをコピペしてるだけで、原典に当ってすらいないのだ 
第一、全体の66%が引用で成ってるリサーチペーパーなんて、あるわけないだろう

この時点で学生が自分がしたことを認めて謝ってきていたら、時間は少しは残っていたから、いちから書き直させて提出させるという措置も正直ありだったと思う(どれほど多くの教員が、めんどくさいというだけで盗作を届け出ずなあなあに済ませていることか) しかし、わたしはこの学生に、自分のしたことの結果を受け止めてほしかったし、言えば何とかなるという風に勘違いしてほしくなかった 学生が盗作の定義をそもそも理解していない可能性もなきにしもあらずだが、学年と本人のメジャーの性質(書くこと自体が仕事であるようなメジャー)からして、盗作の何たるかを知らないでここまで来ているというのはちょっと考えにくい

学生がこうしてゴネてきたことで、もうこれはダメだな、と判断したわたしは、結局学部にこの件を報告した(本来は内々に解決するのでなくて、報告する義務があるので) 学部長はわたしが仕事をやめることを知っているから、すべてこちらに任せなさいといってくれた 学生は学部長と面会して、やったことを認め、今の成績(D)を受け入れますという書面にサインしなくてはならない サインを拒否すれば、もっと大きい組織の元で公聴会が開かれることになり、そこで盗作であったか否か、ペーパー0点であったか否かが判断される(でも別にそれ以上のペナルティーがあるわけではない)

しかし、このことを学生に伝えたところ、さらに逆ギレし、なんで盗作だと思うのか説明もしないくせに(いや、最初の時点でしましたけど)、教員と学生の間で解決できることを大事にしやがって、教師だから何でもできると思ってるのか、もう休みだから町にはいないしそんなクソ書類にはサインしないともう言いたい放題 事態はわたしの手を離れているので、もうこのメールには返事出していないのだが、公聴会に自分が出席する可能性も退職しているとはいえまだゼロではないし、その後学生が学部長に連絡を取ったかどうか聞いていないので、なんとも歯切れの悪い学期末になってしまっている

このことをつらつら考えていると思う―もしかして自分の措置は厳しすぎたのだろうか 実はペーパー提出には別の文脈が少し絡んでおり、この学生とそのガールフレンドは締め切りまでにペーパーを出してこなかったのだ(授業中にペーパーについてアナウンスしたとき彼らは最前列に座って聞いてたのですがね) ガールフレンドの方が、締め切りを2日後と間違えていた、今から出してもいいかというので、今日の午前12時までなら許すけど、それ以降は1日20ポイント減点だよと伝えた 自分としては、ペーパーのアナウンスメントにはそもそもいかなるLate Submissionも受け付けないと書いていた(そう言っとかないといくらでも遅れて出してくるやつがいる)から、それに比べたら甘いくらいだと思っていた そうしたら、ガールフレンドからそれを聞いた学生は、12時までに出そうとしたのか、とんでもないペーパーを送ってきたのだ
学生の立場としては、わたしが締め切り後の提出のペナルティーを出してきたので、急いでたからああなったという言い訳をすることが可能だと思う 実際学生が学部長に話したり公聴会に出る機会があれば、そういうのはこの人の自由だと思っている

しかし、どんなシチュエーションであっても盗作は正当化できないし、書くことを中心に大学で学んでいる人間に、それがOKだとは思ってほしくない あんたが出したのはいかなる点から見てもリサーチペーパーとは言えないんだよ、これを認めたら高等教育自体がジョークになるんだよ、そして、そんなペーパーを出してしまったのは時間がなかったこともあったかもしれないけど、間違いは認めて先に進めばいいじゃん Dひとつ取ったぐらいで人生終わるわけじゃなし わたしだって学部時代にD取ってますけど。。。who cares?

ということを言ってやりたいけど、たぶん学生の心には響かないだろうなあ これから教授評価サイトとかで、あのジャパニーズビッチがとか言って罵詈雑言の限りを書かれて復讐されるかもしれないな でもそれだって、もはやwho cares? だけど

まあ、なんとも気持ち悪い幕切れだよ。

2 件のコメント:

  1. 少し状況が違うかもしれませんが、以前、怠けに怠けて(あーやらなきゃなーとか思いながら結局やらないやつ)、その提出日までペーパーをやらずにいた事があったのですが、もう今日中に提出は無理だと判断して、提出日までにペーパーを提出できなかった理由と反省を正直にA4用紙2枚を使って説明したものを、ペーパーの代わりに提出したら、教授も自分の事を哀れだと思ってくれたのか、本来受けるはずのペナルティーを4分の1にしてくれた上、提出期限を1週間延ばしてもらった事があります。(笑

    ちなみに成績の判定がDになる事に関して、who caresとのことですが、自分の場合は、悲しい事に、 well, my father doesとしか答えられないのですw

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  2. mikenessさん、

    コメントありがとうございます てか、こんなことがあったこと自体忘れ去ってましたが、その後何も言ってこないところを見ると、盗作は盗作ということで解決を見た。。。んでしょうね DがあるとGPAが低くなるので、進路によっては気にした方がいいのでしょう 自分の場合は、あんまり関係なかったかな。。。

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