8/21/2011

ジョージアピーチをなめてはいけない

ジョージアといえばピーチ、ピーチといえばジョージアというくらい、桃はこの州でも一番の特産物である 黄桃で、この辺のスーパーではフレッシュなものも安く手に入る
わたしは今まで、この桃は大したことなくて、日本の白桃の方がおいしいんじゃないかね、などと言っては、夫(この人はジョージア州の高校を出たので桃には一家言ある)にジョージアピーチをなめるんじゃないと言われていた
ところが最近、行きつけのウォルマートの商品管理のひどさとレジ前のカオスっぷり(人の配置の仕方がめちゃくちゃなので、いつもレジ前に人が足りなくて行列になっている)に耐えかねて、行くのをやめた それで、近所のWinn Dixieという別のスーパーに行って、たまたまジョージアピーチが出ていたので買ってみたら、これがもう何じゃこりゃあと叫んでしまうぐらいうまかった
つまり、ジョージアピーチがおいしくないのではなくて、わたしがおいしいジョージアピーチを食べたことがないだけだったのだ ウォルマートにはあっても硬くて小ぶりのものしかおいてないし、そもそもカリフォルニア産が多くてジョージアピーチ自体なかなか見つからないことが多かったからだ 勝手な思い込みで決め付けてはいけないと、桃に誓って書いておく

思い込みといえば、わたしが住んでいる地域の日本人の人たちはウォルマートに対するネガティブバイアスが強い 確かにうちの近所のウォルマートは上記のような問題があるのだが、市内にはほかにも新しくてきれいなウォルマートもあるし、わたしがミシシッピに住んでいたときは、ウォルマートは町に二軒しかないスーパーのうちの二軒だったから、誰もが買い物に行くし、経営戦略(店員を最低賃金で酷使するので結局社員教育もへったくれもなくなってしまう、中国のスウェットショップで安物を大量生産しているetc)にまつわるネガティブなイメージは別として、特に店そのものを悪くいうような人はあまりいなかった(実際そこの店舗はいろんな点でこの前までわたしが行っていたところよりしっかりしていた)
ところがここでは、ウォルマートそのものをものすごく馬鹿にしていて、話を聞いていると要は貧乏人(i.e.黒人とメキシカン)が行く店では買い物したくないと言っているようにしか思えない人がいるので、一体何なんだろうと思う 品物がものすごくいいとは言えないし、他にも色々と選択肢があるので別の店(PublixなりWinn Dixieなり)に行くというのなら話はわかるのだが、そこに人種にまつわる余計な一言を無神経に添えてくる人たちがいる これはスーパーのことだけでなくて、何でもそうだ もちろん日本人の人が皆そうだと言っているのではないのだが、ここでわたしが日本人の人たちとほとんど交流がないのは、そういう種類の人たちを避けて通ってきた結果でもある

腹立ちついでに書いてしまうが、一度わたしが日本にいるときから知っている人が、「黒人は働かない」ということを真顔で言ったので、本当に驚いたことがあった というのも、わたしはこの古典的なステレオタイプであるところの文句が、19世紀のプランテーションノベルとかでなく実際に21世紀に生きている人の口から発話されるのを、アメリカに来てから二回しか聞いたことがないからだ 一度目は、ミシシッピの初老の白人男性だった 一緒に車に乗っているとき、"Let me tell you a secret..."というから何事かと思ったら、"Black people are lazy." と彼は言ったのだ この人は日本人留学生であるわたしには終始大変親切で、個人的に向こうに行ってから色々と世話にもなったのだが、二言目にはこの手の発言をする人だったので、わたしは決して心を開く気にはなれなかった

やはり、ジョージアピーチをなめてはいけないと思う

おばあさんにもらったBest of the Best Mississippi Cookbookという本のレシピでピーチコブラーを作ったらおいしかったので、下に記しておく

めんどくさがりのピーチコブラー(Lazy Peach Cobbler)
砂糖 1カップ(アメリカの1カップは240mlぐらい)
セルフライジングフラワー 1カップ
牛乳 1カップ
バニラエッセンス 小さじ1
バター スティック一本分(たぶん日本に売っているバターを縦半分に切ったぐらい)
桃 10個(黄桃がよい 実は10個はちょっと多い気もするので、8個ぐらいでもいいかもしれない)

材料を全部混ぜ、油を引いた耐熱容器に入れ、皮を剥いて細かく切った桃を上に載せ、350 F(176℃)に余熱したオーブンで一時間ぐらい焼く レシピには45分とあるが、やってみたらもう少しかかった
生地が桃の上に上がってきて、焦げ目がついたらできあがり あんまり焼きすぎて普通のケーキみたいになるより、ある程度しっとりとした状態で止めた方がよい
バニラアイスクリームを載せて食べるのがおいしい
熟れすぎた桃でも、こうしてコブラーにするとおいしく食べられる

2 件のコメント:

  1. 匿名9/05/2011

    ピーチコブラー、美味しそうですね。バターがたくさん入るお菓子は好きです。もも8個を用意するのは苦しいので、2-3個くらいの分量に調節して、今度チャレンジしてみたいと思います。正直、缶詰の黄桃ではダメでしょうか(笑
    私は、今まで気づかなかったのですが、差別します。黒人も白人も、差別します。怒り、嫉妬、自分への自身のなさをぶつけるためにそうします。きっと、悪いことなのでしょうが、私はそれを、悪いことだと思わないようにしています。なぜなら、私がそれを悪いことだと思うならば、自分の中で、悪い循環が起こり、もっと自分が醜くなる気がするからです。だから、とにかく、私は差別をするということで、今の自分を保つことにしています。心の端では、そんなふうに思わないようになりたいという気持ちがあります。そして、本当にそういうふうに思える日が来るまで、私は、私が差別をすることによって被る結果を受け入れ続けます。このような人生への態度によって、人間関係が、壊れるのなら、それは、しようがないことなのです。道のりなのです。やっぱり私は、人間として欠陥してるのでしょうか。

    返信削除
  2. 匿名さん、

    コメントありがとうございます ピーチコブラーは缶詰の黄桃でも全然構いませんよ 夫のおばあさんはいつも缶詰ので作っているみたいです 生のものなら、むしろ熟れすぎてたりまだ食べごろになっていない、要はあまりおいしくないやつを使うと、加熱することでおいしくなるのでいいと思います

    さて差別ですが、大抵差別をする人はそうしているという自覚がないのでw、匿名さんのケースとは少し違うかもしれませんよ
    人種やエスニシティに限らずとも、特定のグループに対する偏見というのは誰にもあると思いますし、わたしにもあります それがない人というのは、たぶん世の中に一人もいないでしょうし、偏見を完全に取り払うことも不可能でしょう ただまあ、それが無自覚に言動に反映された場合、まったく別のレベルの問題になるのではないでしょうか

    あとは、わたしがショックを受けたり怒りを感じるのは、概して教育レベルが高く、一般的に差別的言動を取らないだろうと想定される種類の人が暴言を吐いている場合ですね たとえば田舎の工場労働者のおっさんとか、文化的多様性にあまり晒されていない人がそういった発言をしたところで、その人個人を責めようとは思わないし腹も立たないんですがね

    返信削除